長い夜 #3

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 抱きしめる腕が、乳房に触れる。 身悶えする美羽の口から喘ぎと小さな声が漏れた。 「たい……が……、たいが……、んんっぁっ」  美羽の細い腕を握る大河はその指先にキスをする。 「たいが……、あっ、んっ……たい……が」 「美羽……」  美羽は何度も何度も大河の名前を呼び、大河はその度に、優しく応え、キスをした。  愛しくて、切なくて辛くて、恋しくて哀しくて。  大河の名前を呼ぶたびに、美羽の中で燻る消えない想いが焔となる。 呼べば呼ぶほど、胸は締め付けられ、心の中で忘れられない彼を呼んでいた。 ――お兄さん、お兄さん、お兄さん。  
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