26人が本棚に入れています
本棚に追加
抱きしめる腕が、乳房に触れる。
身悶えする美羽の口から喘ぎと小さな声が漏れた。
「たい……が……、たいが……、んんっぁっ」
美羽の細い腕を握る大河はその指先にキスをする。
「たいが……、あっ、んっ……たい……が」
「美羽……」
美羽は何度も何度も大河の名前を呼び、大河はその度に、優しく応え、キスをした。
愛しくて、切なくて辛くて、恋しくて哀しくて。
大河の名前を呼ぶたびに、美羽の中で燻る消えない想いが焔となる。
呼べば呼ぶほど、胸は締め付けられ、心の中で忘れられない彼を呼んでいた。
――お兄さん、お兄さん、お兄さん。
最初のコメントを投稿しよう!