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淡いオレンジ色のほのかに灯る照明が、眠る美羽の顔を優しく照らし出していた。
涙の跡が微かに残る頬に大河はそっと唇を寄せた。
大河の胸には、強引に、少々乱暴に押し切ってしまった後悔が、今さらのように込み上げてくる。
めちゃくちゃにしたくなるほどの愛おしさが、理性の箍を外れさせた。
腕の中で躍る肢体を幾度も抱きしめ、掴まえた。
しかし、大河はちゃんと知っていた。
自分の腕に抱かれながら、消えない影に縋る美羽の心を。
美羽の頬をそっと撫で、大河は小さく呟いた。
「俺、本当に美羽に惚れちまってるんだな……」
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