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これは、心臓が不調を訴えている時に起こる放散症状だ。
寝不足? 一瞬過った考えを美羽は振り切った。
美羽の瞼の裏に、今朝の大河の姿が浮かんだ。
大河に心配かけぬよう、そして夕べのことを大河が後悔したりしないよう、美羽はいつもどおり装おうとしたのだが、体調の悪さは隠すことが出来なかった。
美羽が目を覚ました時、もう窓の外は明るく、東側の窓から射し込む朝日が部屋を柔らかに染めていた。
ベッドには既に大河はいなかった。
美羽が目を覚ますよりも先に起き、自宅でこなせる仕事をしていたのだ。
様子を見に寝室に顔を出した大河は、起きあがろうと身を起こしながらも再び横たわってしまった美羽を見て顔色を変えた。
「美羽、大丈夫か?」
すぐさま駆け寄り、美羽の枕元にそっと手を突いた大河は心配そうな顔で覗き込んだ。
大河の顔を見た美羽は、ブランケットに身体を隠しながら笑って見せた。
「私、何も着てないんだもん、隠れただけ」
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