信じるものは #3

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 美羽が消える? そんな不安が胸に迫り、大河は美羽の手を握った。 「でも、美羽をこんな……」 「大河のせいじゃないの」  大河の言いたいことは、痛いほど伝わってきた。 美羽は、優しく微笑みかけた。 「これは、大河のせいじゃないの。 仕方ないの。 具合が悪くなるのも波があるの。 その波の谷間がちょうど今だっただけ。 だから、大河のせいじゃないんだから」  大河は、それ以上何も言えなくなってしまった。  美羽は、どうしてこんなに人の心を先回りして読み、気を遣うのだろう。  信号が青に変わる。 大河は、美羽から視線を切り、前を向いて車を発進させた。  暫く続いていた沈黙を美羽が破った。 「おじいちゃんのところ、今夜は無理ね」 「当たり前だろ。そんな状態じゃ無理だし、かえって心配させるだろ、と言っても、大介じいさん、まだ人工呼吸器つけてて話せないんだよ。 今はまだ、ICUだ。 もう少し落ち着いてからでいいだろうって、おじさんが」  美羽が、驚いたように身を起こした。 「大河、お父さんに会ったの?」
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