信じるものは #3

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 美羽は、大河に問い掛ける。 大河は、すっかり渋滞してしまった新青梅街道の車列に混じる車を走行と停止を繰り返しながら都内へと走らせながら、奈緒の事を話し始めた。 「おばさん、少し気持ちを落ち着ける時間が欲しいってさ。 あの、いつも上から目線の高飛車なおばさんが、珍しくへりくだった神妙な口調でさ。 きっと、おばさん自身、美羽との関係の築き方に迷走してきたんじゃないかな。 だから、美羽も少しおばさんと離れて気持ちを整理できればいい。 張り詰めてきたんだろ、微妙な関係だったみたいだし。 ゆっくり休めよ」  大河の優しい言葉が美羽の心に染み渡る。 美羽は、ありがとう、と掠れた声で答えるのが精いっぱいだった。 大河は片手でハンドルを握り、泣きそうな顔の美羽の頭を撫でた。  大河は幼い頃から美羽の家を見てきた。 だから、奈緒が幼かった美羽をどれだけ可愛がっていたか知っている。 それが、美羽が大人になるにつれ、別の何かが芽生えたのだろう。  その芽生えた感情と、どう向き合っていいのか分からずに、今日まで来てしまった。 大河はそう受け取った。
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