信じるものは #3

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「美羽の荷物、取りに行きがてら大介じいさんのとこにも顔出して、そこでおじさんに会ったんだ」  ああそうだったの、と美羽は目を閉じた。 「おじさんも、おばさんと美羽を少しの間離して様子を見たいって。 美羽のこと、よろしく頼むって言ってたよ」  うん、と小さく頷いた美羽は、少し安心できたのか、うとうととし始めた。 大河は後ろの座席に置いてあった自分のコートを美羽に掛けた。 「着いたら起こすよ」  美羽は頷き、そのまま眠りについた。  奈緒との電話での会話、和也とのやり取りの記憶を辿りながら話した大河は、なるべく美羽の心の負荷を避けるよう、所々は割愛していた。  大河に話すことを躊躇わせたこと。それは和也が話したことだった。 「忍が、今日明日中には家を出るから、美羽はそれから家に戻ればいい」  忍の名前を、今は美羽の前で口にしたくはなかった。
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