信じるものは #3

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 奈緒の中に芽生えてしまったのは黒い感情。 発端は、彼だろう――。  大河は、奈緒の忍への異常な執着の原因は知らない。 しかし、その執着が美羽との確執を生み、ここまできたことだけは薄々ながら理解できた。 「俺は、どうしたら美羽を救えるのかな……」  美羽の静かな寝息を聞きながら、大河はどこまでも暗闇の中、終着点が見えないくらいに連なり続くテールランプの道を見つめていた。  
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