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不意に、美羽のことが不安になる。
落ち着いたら、直ぐに一度連絡をいれよう、と吸い込んだタバコの煙を吐き出した。
瑠奈は「なあんだ」とため息を吐いた。
それを尻目に大河は言った。
「それよりどうだったんだ」
報告を促され、瑠奈の顔が一瞬で‘ビジネス’の顔になった。
「ダメだったわ。
何も教えてくれない。
どうも、今回はギリギリまで水面下で動きたいみたい。
押収品の返却もなかなかスムーズにいきそうにないわ」
なんだよそれ、と大河は苛立たしさを露わにくわえていたタバコをギュッと噛んだ。
「相手が巧妙で尻尾を掴ませないからこっちも、って感じね」
「お前の色仕掛けもダメか」
「二課に色仕掛けは無理でしょ。
そもそも私は仕事に‘色’は持ち込まないわよ。
いつだって正々堂々」
胸を張ってみせた瑠奈に大河は、いつものファッションみたらそうは思わねーよ、という言葉は呑みこみ、ハハ……という乾いた笑いのみ返した。
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