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「ともかく……押収品が直ぐに返ってこない、となると……」
大河は、ため息とともに煙を吐き出し、タバコを灰皿に押し付けた。
「笠原―、バックアップは直ぐに揃うかー?」
少し離れたところで仕事をしていた笠原は、
「大丈夫だー、揃いそうだ!」
「よし、こっちは一から立て直すぞ。
瑠奈、そっちは頼む。
それと、製薬会社のN社についても少し調べてくれないか。
気になることがあるんだ。
何か出てくるかもしれない」
バッグからタブレットを取り出した瑠奈は、大河の言葉を聞きながら操作する。
「N社?
意外とクリーンなとこを突くのね」
「ああ。今回いなくなった寺原の親父さんの勤め先なんだ」
「あら」
瑠奈は、聡明な瞳を光らせた。
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