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「分かったわ。
所長にも相談して色々当たってみる。
とにかくここの潔白を証明すればいいんだから」
「そういうことだ。頼む」
大河がそう言った時だった。
部屋の照明が一気に消えた。電源が落ちたのだ。
「PCは大丈夫か!?」
照明が落ちてもデスクトップが明るい光を放っていることは確認できたが、即座に立ち上がった大河はフロア全体を見回し声を上げた。
「セーフだ!
UPF全台に設置しておいて正解だったぜ」
全体を素早く見て周った笠原の声に、大河は椅子にドカと腰を下ろし、安堵の息を漏らした。
ここでデータが全て御釈迦になったら、本当に一貫の終わりだった。
窓の外は変わらず煌々と明かりが灯っている。
ビルの電気系統のトラブルだな、と大河が思った時、自家発電に切り替えたのか部屋の照明が一斉に点いた。
少しして、懐中電灯を持った警備員が駆け込んで来た。
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