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皆が顔を見合わせた。
「そんなこともあるんだな」
全員が狐につままれたような顔をする中で、大河だけは険しい表情で天井の照明を見ていた。
何の前触れもなく起きた停電騒ぎに、不吉な予感が胸を掠めた。
フッと脳裏を過った影は。
美羽?
大河はデスクの上に置いてあった携帯を掴むとスッと立ち上がった。
「大河?」
傍にいた瑠奈が声を掛けたが、
「悪い、ちょっと連絡入れなきゃいけねーとこを思い出した。
じゃ、さっき話したこと頼むな」
そう言って足早にオフィスの隅にある談話スペースに入って行った。
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