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「池袋から、らしいんで、関越のそこのインターで降りるって言ってました。
後三十分も掛から無いそうです」
最短距離を結んでくるのか、と思いながら忍は‘池袋’という単語に引っ掛かりを覚えていた。
まさかな。
「じゃあ、ここは外すから後頼む。
何かあったら直ぐに連絡してくれ」
ナースステーションを飛び出した忍は、三十分後、救急車で運ばれてきた救急患者を見て、凍りつくこととなる。
「すまない、緒方! 彼女がこんなに体調が悪いこと、僕は気付いてやれなかったんだ!
気付いてあげていればこんなことには――」
黛は、忍の前で頭を下げ、なかなか上げようとはしなかった。
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