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「僕は女物なんて分からないから、店員さんになんとか揃えてもらったけど、やっぱりコンビニじゃ駄目だよ。
明日、地下売店が開いてからじゃないと」
立ち上がった忍に、誠はそう言いながら荷物を渡した。
「ああ、とりあえずのもので良かったんだ。
後は母さんに頼むから。
親父に連絡はついたか」
「うん、なんとか。
母さんはじいさんの病院に付きっきりで連絡できないから父さん、じいさんの病院寄ってからこっちに来るって」
傍で話しを聞いていた黛が、遠慮がちに言葉を挟んだ。
「おじいさんも入院しているのか?」
ああ、と忍は苦笑を浮かべ肩を竦めた。
「何かある時は、重なるものらしい」
友人の身に立て続きに起きた事を思うと、黛もため息を吐かずにはいられなかった。
同情されるのは嫌いなタチであろうが、ここはそんな感情を抱かずにはいられない。
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