真相は闇

15/20
前へ
/35ページ
次へ
「僕は女物なんて分からないから、店員さんになんとか揃えてもらったけど、やっぱりコンビニじゃ駄目だよ。 明日、地下売店が開いてからじゃないと」  立ち上がった忍に、誠はそう言いながら荷物を渡した。 「ああ、とりあえずのもので良かったんだ。 後は母さんに頼むから。 親父に連絡はついたか」 「うん、なんとか。 母さんはじいさんの病院に付きっきりで連絡できないから父さん、じいさんの病院寄ってからこっちに来るって」  傍で話しを聞いていた黛が、遠慮がちに言葉を挟んだ。 「おじいさんも入院しているのか?」  ああ、と忍は苦笑を浮かべ肩を竦めた。 「何かある時は、重なるものらしい」  友人の身に立て続きに起きた事を思うと、黛もため息を吐かずにはいられなかった。 同情されるのは嫌いなタチであろうが、ここはそんな感情を抱かずにはいられない。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加