目覚め #2

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 ごくろうさんです、と大河は膝に手をつき、頭を下げた。 「恐れ入ります。さすがは敏腕弁護士」 「なにも出ないわよ」  瑠奈はからからと笑った。 「とりあえず、N社は防御硬いし、あそこはうちよりデッカイ事務所が顧問で言ってみれば像と蟻よ。 ヘタに手は出せないから私が出来るのはここまでよ。 まさかN社と闘おう、ってことはないでしょ?」 「んだよ、ここに来て諦めろとか言うな。 うちは寺原のヤロー通してだけど実質はN社から損害蒙ってんだ。 証拠掴めた時には考える」  大河は憮然と答えた。 瑠奈は、あら~、と言いながらもニッと笑った。 「大河ならそう言うと思った。 そんなとこが好きなんだけどね」  そいつはどうも、と大河も口の端を上げて不敵に笑う。 「分かったわ。 出来るだけのことはする。 でも、そっちでヘタに動いちゃだめよ。 ともかく今は立ち直すこと考えてね」  立ち上がった瑠奈を見上げ、大河は、さんきゅ、と答えた。
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