目覚め #2

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 高く飛ぶ鳥が弧を描くように飛んで行く。 ここからはどんな鳥なのかは分からないが、翼を拡げ大空を自由に飛ぶ姿に、美羽は思わず手を伸ばした。 「じゆうに、……とびたい」  長く人工呼吸器の管に圧迫されていた喉から漏れる声は掠れて、なかなか元には戻らない。 美羽が喉元に手を当ててため息を吐いた時だった。 「あ……」  入口のカーテンが開き、ブルーのウエアを着た医師が現れた。 「お兄さん……」  忍は美羽の傍に来ると、そっと手を取り、言った。 「美羽は飛べる、自由に。 飛べるようにしてやるよ、俺が」  涼しげに見える切れ長の目に、ほのかに熱が帯びて見える。 兄の、意志か温もりか、優しさか、愛情か。 「お兄さん、今私が呟いたこと、聞こえたの」
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