目覚め #2

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 忍は、小さく首を振る。 「今、ちょうど回診中だった」 「そうだったの……」  酸素マスクをした美羽の顔が、ふわりと笑った。 「よかった……お兄さん……」  忍がそっと美羽の頬に手を添えると同時に入口のカーテンが開いた。 「あらっ、ちょうどよかった緒方先生!」  元気な看護師の声が病室に響き渡った。 *  家宅捜索に押し入られてからてんてこ舞いだったオフィスも、やっと落ち着きを取り戻し始めていた。 閉鎖してしまったサイトはそのままだったが、他の業務はとりあえず以前と変わらぬ形態に戻っていた。
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