瓦解 #2

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 美羽の中に浮かぶのは、愛してやまない男の影。 しかし、胸に溢れるこの想いは、抹消しなければいけない。  美羽は、今瞬きすれば涙が零れる、と見開いた目で奈緒を見た。 美羽の傍らに座る美羽は俯いたまま言った。 「ごめんなさい、そうして。 忍だけは、忍とあなたの間だけはどうしても認められない」  奈緒の声は、以前のように冷たく硬い声ではなかったが、静かで低くしっかりとした言い方だった。 有無を言わせない重さがあった。  顔を上げない奈緒を見て、美羽は目を閉じた。 「うん、約束する。 お兄さんとは、もう何もないって」  これは、家族の形を守る為。 深く息を吐いた美羽は心の中で呟いていた。  さよなら、私の‘愛’。 *
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