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細く頼りない美羽の手を、大河は優しく握り、聞く。
「どうした、美羽」
大河の、心を抱くような声と表情に、美羽は安心したようにフワリと笑みを浮かべ、静かに言った。
「大河は、私と一緒に生きてくれるの?」
大河は目を丸くした。
酸素マスクが顔の半分を覆う美羽の表情ははっきりとは分からない。
しかし、思いつきで言っている言葉とは思えなかった。
これは、自分に対する応え?
大河はごくりと固唾を呑み、手の中にある美羽の手をもう一度大事に握り直した
少しの間を置いて、大河は一語一語を噛みしめるようにゆっくりと言う。
「美羽、それは、美羽が俺を選んでくれる、という意味か?」
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