瓦解 #2

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「でも、黙っていなくなるのだけは勘弁して欲しいな」  腕をフワリと緩ませた美羽がフフと笑った。 大河と額を合わせ、目を合わせる。 「はい、黙っていなくなったりしません」 「よし、いい子だ」  笑い合った二人はまた抱き締め合った。  真っ暗になった窓の外。 大河の肩越しに視線を上げた美羽の目に、夜間飛行する飛行機のナビゲーションライトが見えた。  導く先にあるものは、何だろう。 そんなことをぼんやりと思いながら、美羽は言った。 「大河、キスして」  腕を緩め、美羽の顔を見た大河は目を丸くした。 酸素マスクをしたままの美羽の目が、じっと見つめている。 その澄んだ黒い瞳にドキッとした大河は、ゆっくりと聞いた。 「大丈夫なのか?」
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