守るべきもの

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 美羽は、忍の柔らかな唇を受けて目を閉じた。  ごめんなさい。 そう心の中で呟いていた。 誰に対しての言葉だったのか、自分でも分からなかった。 しかし、兄とはもう関わらない、兄とはもう、兄弟という関係に戻る、そう約束した相手に対してだったのかもしれない。  今だけ。 今だけ、この髪をすく、優しい手に、束の間溺れることを許してください。  
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