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ボクの名前は…
ベノワ=サクロヴィーシェ…科学者をやってる
今…どこにいると思う?
全面、二重強化硝子の無機質な部屋…
ボクは今…そこにいる
この部屋にあるのはベッドとトイレ
それと部屋の真ん中にある冷たい診察台だけ…
そう、ボクは人体実験されることになった
まあ…自分から名乗り出たから
今さら後悔しても遅いわけで…
二重強化硝子の向こうには
今まで一緒に働いていた科学者達がいる
二重強化硝子のそばには
唯一、女性の科学者である…
カッサンドラ・アッリーレさんがいた
彼女には激しく反対されたんだけど…
仲間だった科学者にうまく言いくるめられた
人間じゃなくなるかもしれない…
生物兵器を作るための人体実験に
軽い気持ちで名乗り出たのが間違いだったよ
ボクは無機質な部屋の壁側に
備えられたベッドに座っている…
彼女には背を向けてるんだ
その時、鉄製の自動二重扉が開いた
あの扉は内側からは
開けられない作りになってる…
だから、ボクはこの部屋から出られない…
科学者ゲンリフ
「…きみには色々、お世話になったね…
まさか、生物兵器の開発に
きみの体を使って良いなんて…
助かるよ」
ボクはベッドに座ったまま
入ってきたゲンリフに視線を向けた
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