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「おい!あれを見ろよ!」
「お、本当だ!ヒュウナ様だ!」
「ヒュウナ様ぁ!」
銀色に輝く腰まである長さのストレートヘア。
そしてそれに似合う真っ青な細い淵の眼鏡。
彼女はこの学校のアイドルのような存在だった。
――けれど。
「った!」
嗚呼、俺は何て事をしてしまったのだろうか。
その美少女にぶつかって、しかも俺が転んでしまった。彼女も、衝撃的に尻餅をついている。
「……ッ。 気を付けなさいよね」
その美少女――ヒュウナは氷のように冷たい目で俺を睨んだ。
睨まれた俺は一瞬硬直してしまった。
「あっはは、すみません、すみません。以後気を付けます」
頭の後ろに手をやり、無理やり笑って見せた。
そうでもしなければ、あの目にやられそうだったからだ。
ヒュウナはふん、と逸らし、またすたすたと歩き去って行った。
本当に怖かった……。
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