16人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、梅ちゃんは用事があるらしく、颯爽とカフェテリアから去って行った。
梅ちゃんの背中が見えなくなったタイミングで、私が切り出す。
「……あの、梅ちゃんと皆川くんってどんな関係なの?」
「あ、そっか、和葉ちゃんきいてないか」
「……?」
それまで組んでいた腕をほどき、皆川くんは「んーっとね」と考える。
「俺と朝花はねー、よく言えば恋人、悪く言えば恋人」
「……恋人?」
「恋人ならしいよ、梅田さんと皆川。僕も、少し前にきいたことある、彼女出来たーって」
名前知らなかったから本当かどうかは知らなかったけど、と蜂谷さんは付け足す。
やっぱり……。
梅ちゃんが少し前から、休日に会えなくなったり、スマホとにらめっこするようになったから、なんとなくわかってたけど……。
「あ、朝花と連絡取れなくなった場合のために連絡先きいてもいいかな、和葉ちゃんの」
反射的にうん、と返そうとしたところで、蜂谷さんが「ちょっと待って」と割り込む。
すると皆川くんが爽やかな笑顔から、にやにやにとした笑顔に変える。
最初のコメントを投稿しよう!