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「だから木嶋さんに関係ないとは思われたくないんだ!」
早苗は博樹の話しと行動に驚いて 何度か瞬きをしながら博樹を見ていた。
「俺の事…気持ち悪いと思ったか?」
「……ぅん。」
「うん?今うんって言った?」
「うん。」
早苗は博樹の質問にアッサリ答えながらドン引きをしていた。
「なに~!!女の子はコレでキュンってなるんじゃ無いのか?漫画のヒロインはキュンってなってたぞ!」
「まぁー、漫画だから…」
博樹は早苗の返事に力が抜けて床にへたり込んでしまった。
「そんな…頭の中で何度もシミュレーションしたのに…」
「クスッ…」
「えっ?」
博樹の頭上で声がした為顔を上げると早苗はお腹を抱えて笑っていた。
「そんなに笑うなよ!」
「ごめん。だって…想像したら面白いんだもん。」
「うるせっ///」
「でも、もし私がCDを取りに来なかったらどうしてたの?」
「絶対に来るよ。」
博樹がそう断言したのには理由があった。筆箱とかなら次の日にでもと思うが、借りてるCDなら絶対に取りに来るだろうっと思った。それに博樹はわざわざ机の横に掛かってるCDを机の中に入れたのだから。
その事迄説明して早苗を見ると。
「キモッ!!」
「解ってるよ!でも、それだけ好きなんだよ!しかたないだろ!」
ブツブツと言いながら下を向く博樹を見て早苗は再びクスッと笑うが博樹の肩に手をついて。
「ありがとう♪今直ぐは答えれないけど、私と友達にならない?」
「えっ?」
「私は木嶋早苗♪貴方は?」
「俺は田川博樹。」
「じゃー、田川じゃなくて、博樹くん今日から宜しくね♪」
早苗はとびっきりの笑顔で言った後、教室の時計を見て慌てて荷物を手にしては、今度こそ博樹とバイバイしたのだった。
教室に残された博樹は早苗の笑顔が頭にこびりついて。
「木嶋早苗!可愛すぎだ!!俺は絶対に諦めないからな!!」
忘れ物から始まった奇跡はこの後どうなるのだろうか…。
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