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俺の学校生活
俺の名前は石口(いしぐち)ワタル。どこにでもいる地味でオタクな高校二年生だ。
そんな地味なオタク高校生の俺は、帰宅部ではない。
『勝負部』とかいう、同好会というか、サークルというか、定義付けの難しい集団に所属している。
名前の通り、たまーになにかあるごとに勝負をしているのだが、実にくだらないことばかりしている。
『誰が一番胸キュンなセリフが言えるか』とか、『違うところまで我慢しなければならないキス我慢選手権』とか、『マ〇オカート大会』とか......今考えると、なんのために勝負していたのか分からなくなる。
だが、どれもこれもくだらないが、楽しかったことは間違いない。
「ちょっと、なにぼーっとしてるのよ」
今話しかけてきた女子、こいつの名前は今見まみ。
二年生になってから同じクラスになったのだが、名前が五十音順で同じ『い』から始まることから、クラス替えしたばかりの頃に席が前と後ろで、よく話しかけられて、それ以来よく一緒にいる。
実はこいつは俺のことが好きだ。
だがそのわりには、ひどくあしらわれているという、タチの悪いツンデレだ。
「え? ちょっと俺の自己紹介と勝負部の紹介をだな......」
「はあ? なに言ってんの? まじで意味わかんないんだけど」
別に意味わからなくてもいいです~。この仕事は俺にしかできない仕事なんだから。
「二人とも、どうしたの?」
俺の隣の席の女子が話しかけてきた。
この子の名前は山本ミユ。これまた俺のことが好きな女子だ。
第一印象は家庭的で清純なムチムチ美少女だったのだが、だんだんと彼女はボロを見せるようになった。
まず初めに知ったことは、まみにも劣らぬくらい気が強く、腹黒でもあることだ。
そして次に知ったことは、彼女の愛はどこか歪んでいて、いわゆる『ヤンデレ疑惑』があるということだ。
こうして俺は二人の女子から好意を寄せられるようになったのだが、恋愛経験のない俺に訪れたモテ期は、俺に恋愛させることを躊躇させることとなった。
そしてなにより高校二年生の俺は、一人の女子と付き合うことよりも、みんなと仲良く遊ぶことを選ぶ、『青春真っ盛り』な男子高校生だったのだ。(とは言っても、オタクの俺に世間一般の『リア充ライフ』など送れるわけもないのだが......。)
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