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「裕ちゃん、放課後行きたいとこあるんだけど。」
むすっとして恋人を誘う。こうすれば、今日休み時間毎計6回お姉ちゃんと私を間違えた裕ちゃんに拒否する覚悟はない。
私たちはバスにのって近鉄四日市にむかう。
百貨店は兄の管轄である。多少の御家族割引がきく。
「裕ちゃん。私の誕生日プレゼントなんだけど。」
「ん?あやめの誕生日は…。」まだ先だ。けど、これ以上お姉ちゃんと間違われるのはごめんなのだ。
「ちょっと早いけど。これが欲しい。」
と言って眼鏡コーナーへ。
「視力落ちたのか?」
「ううん、伊達メガネよ。お姉ちゃんと区別がつくでしょ?」
なるほど。と言って私の意図をわかってくれた裕ちゃん。二人であれやこれやと試着してみる。
店員さんは、私が月島であると知っている見たいで、話しかけてこない。
裕ちゃんはあーだこーだいいながら、スマホに私の写メを撮りまくる。あっ、でも、これ楽しいかも♪
一時間位迷った末、レンズが少し大きめな黒い細い縁の眼鏡を購入した。
ちなみに、予算より0が一個多かったんだけど、店長が出世払いにしてくれた。
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