顕現

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永田町の一角。 内閣府庁舎6階に位置する内閣情報調査室にその男がいた。 「花柳(はなやぎ)君、君が持ってくる話はクレイジーなものばかりだ。今回もそういうものだと認識していいか?」 「楢崎(ならざき)さん、ひどいなあ。私だってね好きでこんな役しているんじゃないんです」 「官房『副』長官の秘書官ともなると、雑用が多いってことか」 「雑用で終わる仕事だったらいいんですけどね……大体、内調の中でも特殊情報センターでしょ? ここは。クレイジーな話しか来ない場所です。主幹をされているのでしたらいい加減あきらめてください」
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