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行為が終わると私の顔に張り付いた髪をそっと退けてくれながら啄むように優しいキスが落とされる
その温度が、そのキスが…終わりの合図
「希月(キヅキ)さん…」
彼の名を呼びながらぐったりと布団に沈む
長めの黒髪の隙間から私を見つめ射抜く垂れ目がちな黒い瞳はいつもと同じで優しい色をしている
手を伸ばすとソッと抱き起こしてくれて腕の中で抱きしめられる
庭に咲き乱れる白い花を目に映して瞼を下ろした
甘ったるくも芳しい香りが今日も私を責め立ててくる
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