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「薫(カオル)…」
私の名を呼ぶ彼の低い声が耳に心地がいい
私の長い黒髪を指に通して愛おしそうに撫でてくれる温もりが心地いい
「はい…」
呼びかけに応えると彼は私から少し身体を離して覗き込んでくる
端正な顔立ちが至近距離に…あと少しでも近寄ればキスできそうな近距離
互いにその距離を埋めようと無言のままに近寄った瞬間…けたたましく鳴り響いた機械音
実際はそこまで大きな音ではなかっただろう音に互いにビクリと跳ねて距離が開く
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