香る庭

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その力に彼の手を振り払ってから 「拗ねてない。」 冷たくキッパリと言い切って私が立ち上がる 勿論振り返ることはない 彼の優しさは今の私には痛いだけだ この場から立ち去るように自分が先に出て行こうと歩みを進めると強引な力に引き寄せられた 驚く間も無く気づけば彼の腕の中、唇が重なっていた 本当に…この人は狡いと思う 惜しみない愛情を注ぐように深く重なる口づけと絡まってくる舌 抱きしめられる腕の力強さを振り払うなんて誰ができるだろう? 「…っ」 憎々しげに睨む私の?をフッと笑って撫でてくる温もりに泣きたくなるこっちの気も知らないで
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