第1章 一泊二日

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しかし、その遊戯は長くは続かなかった。 ある日突然、一時限目の授業開始時に、 先生が血相を変えて教室に飛び込んで 来たのだ。 「みなさん!先生の話しを良く聞いて! こんりんざい、教室でのコックリさんは 禁止します。良いですね!」 「はい!」 同級生全員、訳も分からず返事をする。 教師から後で聞いた話しなのだが、 熱心にコックリさんをしていた女の子が、 朝になって突然、錯乱状態になって 自宅のマンションから飛び降りて しまったのだ。 9階から転落した為、即死だった。 すぐ様先生は、飛び出して行ったまま その日はオール自習となってしまった。 やはりコックリさんの祟りか、 みな異口同音に口を揃えた。 有香は今でも、コックリさんを やり続けている。 「なんだか最近、体調が悪くて」 やはり、顔色がかなり悪い。 そんな有香を鑑みて、旅行に誘う事に。 「有香ちゃん、今度旅行に行かない? お婆ちゃんが霊能者なんだ。 除霊してくれるかも」 突然、直也が切り出した。 「へ、なんで?」 キョトンとする有香。 「きっとそれは、コックリさんの やり過ぎだよ、何かに取り憑かれて いるんだよ。 このままにしておいたら、危険だよ」 有香も、直也の意見には有難いが、 どうも気が進まない。
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