第1章 一泊二日

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「あとは、出口王仁三郎様があんたに 憑いた悪霊を祓ってくださるそうじゃ」 「ありがとうございます」 有香が、軽く頭を下げた。 「お腹が空いたろ、夕ご飯を用意するけ」 祖母がそう言って、台所に行った。 暫くすると、祖母が直径1メートル程の ちゃぶ台を持ってきた。 今度はちゃぶ台の上に、色々な山菜料理を 置いた。 3人で狭いちゃぶ台を囲みながら、 夕ご飯を食べる。 米は新米で、山菜料理もキノコ料理を 中心に美味しく食事が出来た。 満腹になった所で、祖母がお茶を 持って来た。 「おばあちゃん、そのオニサブローと いう人が全部教えてくれるの?」 「そうなんじゃ、未来の事も教えて 下さるのじゃよ」 「未来も?」 祖母が、頷きながら。 「今年、2016年の大晦日に行われる NHK紅白歌合戦は白組の勝ちじゃ。 それから、2017年のワールドカップ アジア最終予選は、UAEやタイに負けて ワールドカップ不出場が決まる。 そして、2017年プロ野球日本シリーズ 覇者は、阪神タイガースじゃ」 「本当!お婆ちゃん??」 思わず、直也と有香が顔を合わせる。 直也はタイガースの大ファンなので、 思い切り口角が上がる。 「日本も春先にはお通夜になるじゃろうが 秋には大阪が盛り上がるじゃろう」
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