眼鏡スイッチ

16/28
前へ
/28ページ
次へ
休日だというのにスーツ、いつも眼鏡にかかってる前髪はオールバック。 ……しかも眼鏡オフ。 無意識に私はその後を追っていた。 「瀧村くん!?」 「……大貫」 声をかけると、振り返った瀧村くんは泣き出しそうに笑った。   さっきいたコーヒーショップに戻り、今度はブレンドコーヒーを頼んで席に座ると、鞄の中から眼鏡を出して瀧村くんはかけた。 「……」 「……」 なにを云っていいのかわからない私に、瀧村くんも黙ってコーヒーを飲んでる。 少ししてカップをかつんと軽い音を立ててテーブルの上に置くと、困ったような笑顔で瀧村くんが口を開いた。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

161人が本棚に入れています
本棚に追加