眼鏡スイッチ

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そのまま傷をかばうようにベッドの中で丸くなった。 「……大貫さん、少し話、いいですか?」 「あ、私、会議の準備頼まれてるんだった」 翌日、嫌々出社するとオンモードで瀧村くんが話しかけてきた。 でも、無視し慌てて席を立つ。 ……口端に貼られた絆創膏と、ひび割れた眼鏡は気になるが。 けど、極力、関わりたくない。 少しでも距離を置いて、忘れたい。 しかし私たちはふたりセットでよく、雑用を頼まれるのだ。 「おまえ、俺のこと避けてんだろ」 「……」 無言でファイルを掴んで棚に戻す。 今日頼まれたのは資料の整理。
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