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「……でも、セフレ、は」
「あー、あれ、おまえに惚れてから全部切った。
本命つくらねーって云っておいて、事実上の本命作ってたらざまーねーわな」
照れたようにレンズの向こうの目が緩いアーチを描いた。
肩に置かれてた手が私の頬を挟み、背を屈めて顔を近づけてくる。
額をこつんとふれさせると、眼鏡の上の隙間から、直に私の目を見つめてくる。
「好きだ、鈴華」
「……私も瀧村くんが、好き」
互いににかっと笑うと、顔の角度が変わって唇がふれた。
離れても、瀧村くんの両手は私の頬を挟んだまま。
少しも視線を逸らさない、眼鏡の奥の瞳は艶を帯びて光ってる。
ゆっくりとまた目を閉じると、再び唇が重なった。
ちろりと舐められた唇に口を開け、瀧村くんを受け入れる。
室内に響き出す水音と熱い吐息に、あたまがジンジン痺れて身体に力が入らなくなっていき、崩れ落ちそうになると瀧村くんの腕に支えられた。
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