眼鏡スイッチ

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「その、今日、……瀧村くんちに行ってもいいから」 今度は私が上目遣いで見上げると、みるみる瀧村くんの顔が輝いていく。 「じゃあさっさと仕事終わらせて帰らねーとな!」 すごいしスピードで仕事を片付けていく瀧村くんにはぁっと小さくため息をついた私だったけれど。 ……まだ知らなかったのです。 今晩、眠ることができないなんて。 「瀧村。 予算表のことなんだけど」 「できてます。 ついでにこっちの納期も確認済みです」 はきはきと喋る瀧村くんに、珍しいものでも見るかのようにちらほらと視線が向かう。 顔を隠してた前髪は短く切り揃えられ、黒縁ボストンはブラウンメタルのハーフリムに変わった。 見た目も言動もがらりと変わった瀧村くんに向けられるのは羨望と妬みの視線。
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