五月雨(さみだれ)

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「こんのっ、バカざる。サッカーゴールに頭ぶつけて記憶喪失にでもなればいいのよっ。」 思わず私が叫ぶと 「いや、お前、それリアル過ぎてへこむわ。実際にありそうじゃん。」 「あんたが変なこと言うからじゃないっ。」 「変な事って…自分の気持ちに素直になってんだろ?」 素直ってねぇ…やりてーっとかいうか普通? 「あー、もうやだやだ。雨、止んだよね?私、今から学校に戻って鍵取ってくる。制服乾いてるよね?」 「あっ、待てって俺も行く。」 「良いって一人で行けるもん。」 「駄目。なんかあったら俺の気が済まない。」 なによ… 今までそんな姫扱いしてくれた事ないのに。 嬉しいじゃん。 ってぜーーーーったい、言わないけどね。 外に出るとまだ空は薄暗いものの雨は止んでいた。 「梅雨って感じだよね。」 「だな。」 「でもまた、降りそうだね。」 「降らねぇよ。俺がいるじゃん。」 「なに、その自信。て言うかさ、なんであんた傘持ってこないのよ。帰りにでも降ったら困るじゃない。」 「俺を誰だと思ってる?」 「はいはい、超絶晴れ男さまでしょ?」 もういい加減聞き飽きたわ。 呆れた視線を向けるとーーー 「まっ、それもあるけど、」 ーーーーまた相合い傘出来るじゃん
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