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その島が近付くにつれて、砂浜が見えてきた。
「ほっほー、こいつはいい。ちょっとしたバカンスだねー」
すると突然、波の顔は、向きをずらせ始めた。
「おいおい、どこへ運ぶ気なんだ? そのままでいいんだよー!」
やがて、ガモーの視界に入ったのは、白い波が打ち寄せる絶壁の付くの海面を、ゆうゆうと泳ぎ回っている黒い物だった。
「ん? あれは何だ……?」
さらに近付くと、ガモーの顔は真っ青になった。
「あっ、あれは――!」
ガモーにそっくりの巨大な波の顔は、彼が載っている板を、その群れの付近に放り込んだ。
「うわ――! やめろ――!!」
それは、十数頭の人食い鮫の群れだった。
鮫たちは、海中に落ちこんだ山口の臭いをかぎつけて、一斉に襲ってきた。
その内の2頭の鮫は、どことなくロントとジミーに似ていて、メガネもしているように見えた。
「うわー! ロントとジミー、許してくれ――!!」
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