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そう、彼らは自分が眼鏡を使用してるので、その大切さや便利さを理解しているからか、殴りたい気持ちより眼鏡を大切にする気持ちのほうが上回り、喧嘩などをしても、口喧嘩以上には発展しないのだ。
「てか、てめぇいつから縁なしに変えてんだよ、この前までウエリントンタイプのフレームのやつだっただろうがよ」
フチなし眼鏡の男子がつかまれていた相手の手を掘り払い、口を開く。
「何で俺がてめぇに眼鏡変えたらいちいち報告しなきゃいけねぇんだよ」
僕にはウエリントンだか、ウエンツだか、彼らが眼鏡の何を言っているのか良く知らないが、彼らの中では通じる言葉らしい。
縁なし眼鏡の彼が指で眼鏡をクイっとあげ言葉を繋げる。
「てめぇのようにフォックスタイプのフレームしか使わねぇ奴には、俺みたいに色んなタイプを使い分けるおしゃれな人間の考えは、わからねぇだろうな」
「はぁ?てめぇにフォックスの何がわかるんだ」
いきなり狐の事を言い出し、更に僕にはわからなくなる。何故普通に狐と言わない?
ペットの名前か?いや、眼鏡の話をしてたはずだから違うか、きっとマイ眼鏡には名前をつけているんだろう。
と、一人でなんとなく考えていると、フォックス君(僕が今心の中だけで呼ぼうと決めたあだ名)がまた声をあらげた。
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