5  虹を超えて(続き)

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5  虹を超えて(続き)

そんな週末を過ごした翌週から、 水曜日が、新たに田村のオフ・デーとして決まった。 そして約束通り、その新しいオフは二人一緒の時間。 「締め切りが近い時は仕方ないけど、 水曜日は、美沙ちゃんのために作った休日だからね。 美沙ちゃんも、出来るだけ俺と一緒にいてよ。 だから水曜は、『二人の日』ってことだからね」 そんな初めての「二人の日」を前にした、週明け。 私は、先週ようやく出来上がった今回の仕事の打ち合わせに 朝のラッシュを過ぎたばかりの、電車に揺られる。 あと、四日か――。 二十年以上もの時をかけて二人の赤い糸を手繰り寄せ合ったというのに、 いざ、結ぶとなると早いもの。 なんか、呆気ないくらい簡単に結ばれるものね。 だが、そんな呟きを胸に抱いたこの時は、 まさか数日後の入籍を前に、新たな落とし穴に自ら落ちようとは 夢にも思っていなかった。
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