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階段を駆け上がり
壁にはJ、どこだ
階段を駆け下り
床にはA1、どうなってる
見えない何かに駆り立てられて、息を切らせて辿り着いた
あそこだ、間に合った
淡く光る教室のドアを開いてつんのめりそうになりながら
「CALL!」
突風と共にくるくると渦を巻いて
突然現れた青く怪しく光る魔法陣に向かって力いっぱいそう叫んだ
なんでそう叫んだのかすら分からないまま
そして僕は召喚してしまった
それがいったい何なのかも分からずに
「これでいいのか、間に合ったのか、」
砂埃が舞う教室は静まり返って
まるで何事も無かったかのように
教壇側で、時計が静かに時を刻んでいる音だけが聞こえる
「なんで?何も変化がない・・・」
「そうだ、もう一度あの場所へ行ってみよう」
吉広待ってろ!
もう一度やり直すんだ
大丈夫、今度は絶対うまくいくから
泣きながら僕は駆け上がった
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