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「・・・え?」
「ご両親が呼び出されて、退学かもね~先方のお嬢さんの親御さんはお怒りよ、二人とも受験どうすんのかしら」
慌てて、自分の部屋に行って
「吉広今どこ」
吉広にLINEを送信した
「何やってんだよ吉広、大丈夫かよ、全然既読つかね、」
今頃、呼び出しくらって叱られてんのかな
どーすんの吉広、どーなるんだ、
吉広がパパ
親と一緒に暮らすのか
働くのかな
まだ中学卒業してね、小卒で就職して子供育てるのか
就職って、どこで?何する?
中絶?
あの女の子と赤ちゃん・・・になる前の細胞?
中絶ってなにすんの?
その時、握りしめた携帯から音が鳴った
“最悪・・・”吉広からのメッセージ
「今どこ?}
“屋上”
「どこの」
“学校”
「すぐ行く」
“死にたい”
「待ってろ!」
「おいおいおいおい!マジかよ吉広!」
携帯を握りしめて家を飛び出した
「洋司!洋司どこ行くの!待ちなさい!」
息を切らせて学校に辿り着いて
校門を抜けて屋上まで駆け上がった
三棟ある一番手前の校舎の中ほどで
「そういや、屋上って行けんの?あれ、どの校舎の屋上だよ」
何気なく窓を覗くと隣の棟の最上階の窓の下の出っ張りに吉広が立っていて
窓から教頭が顔を出して何か喋っている
「吉広、そっちかよ、」
渡り廊下を目指そうと体の向きを変え体重を移動させようとした瞬間
俺の心臓は慌てて脈を打った
「吉広!」
吉広の姿が、視界から消えたんだ
あり得ない方向に跳んだような気がした
大人たちの叫び声が聞こえる
「嘘だ!嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だーーー!!」
慌てて階段を駆け下りた
幼い頃、虫取りに行った時の汗だくの顔
誕生会で一緒にケーキを食べた顔
小学校の入学式で緊張した顔
運動会でバトンを渡された時の顔
今日、教室で吉広が最後に見せた笑顔が脳裏をよぎった
駆け下りたその先には、地面に叩きつけられた吉広がいるのだろうか
急に怖くなって立ち止まった
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