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「なんだと!少しくらい夢見てもいいだろうが」
山田が怒って立ち上がった。
「今こうしている時間も無駄なのよ。」佐々木も立ち上がった。
「会話に勝手に加わってきたのはそっちだろう」
この2人の口喧嘩は日常茶飯事であり、この会社の名物にもなっていた。
周りにいた従業員もまたか、という表情をしていた。
いつも通り、青山が止めに入る。
とりあえずふたりを椅子に座らせた。
「二人とも一応仕事中だから。やるなら後にしな。」
渋々ふたりは作業再開したが、山田の方はまだぶつぶつと文句を言っていた。
「おや、喧嘩はもう終わったかね。声がこっちまで聞こえてたよ」
奥のドアから、背が高く、体格の良い、穏やかな顔つきをした男性が 出てきた。
「株式会社アシスト・ワン」の森山社長である。
3年前に父親からこの会社を受け継いだ。
現在40歳ではあったが、会社が危なくなったことは一度もなく、むしろ父親が社長をしていた頃よりも会社は成長していた。
よほど才能があったのだろうか。
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