第一章

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しゃべりもうまく、知性を感じた。 青山は社長を尊敬の対象としていた。 「うるさくしてすいませんでした。集中して仕事に取り組みます。」 慌てて佐々木が頭を下げた。つられて山田も謝罪した。 「いやまあいいんだよ。若い子は威勢があった方がいい。最近の若者はおとなしくなったからなぁ」 社長はそういって微笑んだ。 ふいに社長は用事を思い出したかのように青山の方を向いた。 「そうだった、青山君に用があるんだった。社長室に来てくれないか。」 「は、はい」青山は突然名前を呼ばれてびっくりした。 社長に呼ばれることなんてそうそうない。 仕事はパソコンで自分の担当を確認して作業するようになっていた。 社長から直接仕事の指示をすることはなかった。 仕事で何かミスをしたか? 依頼者から苦情でもきたか? この場で話せないとすればそういった類いの話になる。
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