第一章

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(4) 次の日の土曜日。 青山は昨夜、依頼人に電話をして会う約束を取り付けていた。 依頼人の家はJR博多駅から2駅乗り、そこから徒歩10分くらいの所にあった。 朱色のマンションで8階建てだった。 エントランスにいき、602号室のインターホンを押す。 程無くして、依頼人の母親が出た。 「昨夜お電話した株式会社アシスト・ワンの青山ですが 」 「ああ、お待ちしてました。すぐ開けます。」 目の前の自動ドアが空いた。 エレベーターに乗り、6階のボタンを押す。 このマンションは建てられたばかりなのか、きれいだった。 外観もそうだったが、見た感じ中の壁や天井もきれいだし、床も汚れが見当たらない。 住むんだったらアパートよりマンションの方がいいな、と青山はどうでもいいことを考えていた。
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