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エレベーターをおり、602号室の前に行き、インターホンを押した。
奥からどたどた、と足音がしてドアが開いた。
立っていたのは依頼人の母親だった。
写真では暗い表情をしていたが、今は笑顔だった。
「さあ、どうぞ。上がって下さい。」
母親について、真っ直ぐ突き当たりの部屋へ足を踏み入れた。
右手には台所で食器類を入れた棚もある。
中央にテーブルと椅子が四脚ある。
テレビも窓のそばの隅に置いてあった。
おそらく、ここがリビングであろう。
左手の壁に扉が2つある。どちらかかが息子の部屋かもしれない。
「そちらの椅子にお掛けください。飲み物はお茶でよろしいかしら。」
青山は「はい」と言って、椅子に座った。
すぐに母親が湯飲みを持ってきて青山の前に置いた。
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