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「依頼は了承していただけるのかしら」
母親が向かいの椅子に座ってすぐ聞いてきた。
やはりそこが気になるか。
昨夜電話したときも依頼を受けるかどうかを聞かれたが、まだ考え中だと答えておいた。
「それなんですが… まず息子さんに会って話をしたいのですが」
「あ、そうね。健人の替え玉になっていただくのにすっかり忘れてましたわ。呼んできます。」
青山は母親の言った「替え玉」の部分が気になった。
もっと他に言い方があるだろうに…
母親は2つあるうちの玄関側の扉をノックした。
「健人、会社の方が来たわよ。出てらっしゃい。」
少しして扉から下を向いてうつ向いた青年が出てきた。
青山は思わず立ち上がり、目を見張った。
奇妙な感覚にとらわれた。
そこに自分がもう一人いた。
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