第一章

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家の最寄り駅まで2駅である。 窓の外の風景をしばらくぼんやりと見ていたら、車掌のアナウンスが降りる駅を告げるのを聞いた。 立ち上がって、近くの開いたドアからホームへ降りた。 駅を出て空を見上げると、太陽が沈みかかっており、夕焼けに染まっていた。 いつも通る道を歩いて家へ帰った。 青山は実家暮らしで父、母、弟2人の計5人で住んでいた。 家は三階建てのアパート「グリーンハイツ」の106号室である。グリーンと名前にあるが色はベージュ色だった。 ドアノブを回したが鍵がかかっていた。どうやら、誰も帰っていないらしい。 鍵を取りだし、扉を開けて中に入った。 リュックを床におき、冷蔵庫からお茶の入ったビンを取りだしコップについだ。 お茶を飲んで一息着いた後、バイトに行く時間まで携帯をいじっていた。 一度家に帰ると外に出るのが面倒くさくなった。 とは言ってもバイトをサボるわけには行かず、重い腰を上げた。 青山は少し準備した後、鍵をかけて家を出た。
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