第一章

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何人かの従業員が青山が入って来たのに気づいたのか、顔をあげ、お疲れ様ですと告げた。 青山もお疲れ様ですと返事をしながら自分の席に座る。 「おい拓斗、youtuberって知ってるか?」 隣のデスクに座る、青山より3ヶ月前から働いている山田博史がそう尋ねてきた。 「ああ知ってる。すごいやつは100万再生とかいってるらしいな。」 「そうそう。1再生0.1円くらいらしいぜ。そう考えると100万再生で10万。1日1動画投稿するとして、1ヶ月で300万かぁ。俺、youtuberになろっかなあ。」 「博史がやったとしても100再生もいかないと思う。」笑いながら青山はいった。 「いや、分からんぜ。今の時代何がヒットするか分からん。やってみる価値はあるだろ。」 「そういうもかね。ま、止めはしないけど。」 「もし300万も稼げたらウハウハだな。金を何に使うか悩むな。新しい服買いたいし、車も欲しいな…。」山田は一人にやけながら妄想にふけっていた。
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