アリスな私。

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お気に入りの鞄にお菓子とパンを詰め込んだ。 大人には内緒。 そうして私は小さな冒険に出たのよ 笑 チェシャ猫なんてどんな姿をしているか分からないわ。 だからね、近くにいた野良猫に聞いて回ったの。 「あなたチェシャねこさん?」 ってね。 でね、一匹だけ鳴いたの。 偶然なのにね 笑 私はチェシャ猫だと思い込んで後を付いて行ったわ。 何処まで行くのかわからない。 ただ、この猫に付いていけば不思議の国に行けると本気で思っていたのよ。 ま、結局途中でお母さんに見つかって連れ戻されたけどね 笑 そう言って笑う彼女は本当に楽しそうで、かわいらしくて。 幼い頃アリスを夢見た少女と同じだった。 そこで俺は話しを付け足した。 「君はしろうさぎに出会ってたんだよ?」 「へ?」 気の抜けたような返事。 俺は笑いを堪えながら続けた。 「君は出会ったんだよ。幼い頃の僕というしろうさぎに 微笑」 そう、今思い出した。 俺も不思議の国に憧れた事を。 そして、小さな小さな冒険に出たという事を。 そして、そこで君というアリスに出会った事を… END
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